TOP

変形性股関節症

症状と原因

股関節のクッションである関節軟骨がすり減り、関節に炎症が起こります。関節軟骨が薄くなり、骨と骨がぶつかり、やがて骨が変形する進行性の疾患です。立ち上がりや歩き始めの痛み、進行すると夜間でも痛むことがあります。痛みをかばうことで歩き方が変わったり、脚長差が生じます。日常生活に支障が出るほど症状が進行した場合は人工関節の置換手術を行います。

生まれつき股関節の形に異常がある場合(臼蓋形成不全)も原因となります。好発年齢は40~50代の女性に多く、男性の7倍とも。
○加齢による筋力低下
○体重増加による負担
○和式生活や長時間の立ち仕事
などが影響し発症のきっかけとなります。

また、股関節と腰は密接な関係があり、脚長差や股関節の動きが悪くなることで、「ヒップ・スパイン シンドローム」と呼ばれる腰痛が発症することもあります。

股関節の機能と解剖

股関節は大腿骨の先端にあるボール状の形をした大腿骨頭と、骨盤側の受け皿となるくぼみ(寛骨臼)にはまり込んだ形をしています。ボールとソケットのような構造です。その周囲は、関節包と呼ばれる組織で包まれていて、その中は滑液(関節をスムーズに動かす潤滑油)で満たされています。大腿骨と骨盤の間には、関節軟骨というクッションがあることで体重の衝撃を吸収して滑らかな動きをします。関節軟骨には血管や神経、リンパ管はなく、滑膜によってつくられる滑液から栄養をもらいます。だからこそ軟骨はすり減ってしまうと再生能力が乏しい組織なのです。
例えば、片脚立ちをした時、軸となる足の股関節には体重の3~4倍の負荷がかかるといわれています。二足歩行になった私たちの股関節には相当な負担がかかり続けるのです。

一般的な治療期間

変形した骨は元に戻せないので、初期の段階から進行を予防することが極めて重要です。軟骨はすり減ると残念ながら自己修復での再生は期待できません。痛みをコントロールしながら進行を緩やかにして、「いかに長持ちさせるか」がポイントです。負担を減らす生活を心がけることで進行を防ぎ、症状の緩和が見込める場合があります。
できることならば人工関節の手術は避けたいものです。「良い状態を保っていますね」とドクターに言われる状態を目指します。
●長期定な経過観察が必要
●状況によっては手術も検討

当院の施術内容

まずは保存療法で症状の緩和と進行を予防することが基本です。痛みがあると動かすことがつらくなり、股関節の可動域も低下します。まずは痛みのコントロールが必要です。手技療法や鍼治療、筋膜リリースで痛みを軽減しながら股関節周りの筋肉を緩め、関節が動きやすくなるようにします。股関節付近に関連するトリガーポイントへの治療も効果的です。
痛みが軽減してくると、徐々に関節の動かせる範囲が広がってきます。そのタイミングで無理のないようにエクササイズを開始します。股関節を痛めないよう、体に合わせた個別メニューを直接指導します。
そして、インソール療法を併用することで、二足歩行による股関節への負担を根本から軽減すると良いコンディションを保つ助けとなります。

予防&セルフケア

〇BMI 23以上25未満が目標です。
BMIとは肥満度を表す体格指数のことです。以下の計算式で算出されます。
BMI(体格指数)=体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)
BMIによって変形性関節症のリスクも変化していきますので気を付けたいポイントです。

〇お尻・太ももの筋力強化 
外転筋強化、伸展筋強化、大殿筋ストレッチ…「難しいエクササイズなんて無理」と思うかもしれませんが、まずは簡単な方法としてジグリング(貧乏ゆすり)がおすすめです。ジグリングを行うことで滑液の循環が促進され、関節軟骨に栄養が届きやすくなると考えられています。「関節軟骨を少しでも長持ちさせよう!」という気持ちで生活の中に取り入れてみましょう。
コンディションが良くなれば筋力強化として各種エクササイズで少しずつ運動強度を上げていきましょう。

Copyright © さくらリバース治療院