手のこわばりに効果的なマッサージについて解説します。

監修:市姫 久春
2024年05月27日
手のこわばりに効果的なマッサージについて解説します。
手がこわばると、日常生活に影響を及ぼします。そんな不快なこわばりに、ほんの数分のマッサージが驚くほど効果を発揮します。

本記事では、手のこわばりをほぐす効果的なマッサージ法をご紹介します。手軽にできるセルフケアをはじめましょう。
目 次

手がこわばっている状態とは

手のこわばりとは、手首や指が硬くなったり、動かすのが難しい状態を指します。これは、日々の生活に支障をきたすこともあり、ちょっとした動作でも不快感を感じることがあります。

手は日常生活で最も使うことが多い部位ですし、こわばりによって書き物、料理、あるいはコンピュータの操作など、様々な活動に支障がでる可能性があります。

手のこわばりは、一時的なものから、深刻な健康問題が潜んでいることもあるのです。

手がこわばる原因

手のこわばりは、多くの人が経験する症状の一つですが、その原因はさまざまです。

これから、手がこわばる原因を詳しく探り、どのように対処すればよいかを考えていきましょう。手のこわばりに悩む方々が、少しでも快適な生活を取り戻せるよう、役立つ情報をご提供できれば幸いです。

関節や腱の病気

手がこわばる原因には、関節や腱の病気が大きく関与している場合があります。このような病気は、手の機能や日常生活に深刻な影響を及ぼし、痛みや不快感を伴うことが多いため、非常に辛いものです。

関節リウマチは自己免疫疾患の一つであり、体の免疫システムが誤って自分の関節を攻撃することで発症します。この病気は、手を含む全身の関節に影響を及ぼし、炎症を引き起こします。

炎症が進行すると、関節の内膜が肥厚し、腫れや痛みを伴う関節の破壊が始まります。特に朝の時間帯に手のこわばりが強く現れ、日常の些細な動作すらも困難になることがあります。この痛みやこわばりが続くことで、患者は精神的にも肉体的にも大きなストレスを抱えることになるのです。

腱鞘炎は、腱とそれを覆う腱鞘という膜に炎症が生じる病気です。手首や指を頻繁に使う仕事や趣味を持つ人に多く見られます。例えば、パソコンを長時間使う仕事や楽器の演奏、料理などが原因となることが多いです。

この炎症は腱の滑りを悪くし、手を動かすたびにこすれるような痛みを引き起こします。その結果、手の動きがぎこちなくなり、こわばりが生じます。痛みが強い時には、手を動かすこと自体が苦痛となり、日常生活に支障を来すことも少なくありません。

線維性強直

線維性強直は、関節の周囲にある軟骨や靭帯、筋肉などの線維組織が硬くなり、関節の動きが固定されてしまう状態です。

関節リウマチなどの慢性炎症を起こす疾患が原因で起きることが多く、関節の痛みや腫れといった症状を伴います。線維性強直が進行すると、関節の可動域が制限されてしまいます。

更年期によるエストロゲンの低下

女性が更年期を迎えると、体内のエストロゲンの減少によってさまざまな身体的変化が起こります。手のこわばりもその中のひとつです。エストロゲンは女性ホルモンの一種であり、体内で多くの重要な役割を果たしていますが、血管の拡張にも関わっています。

このホルモンが減少すると、血管が収縮しやすくなり、結果として血流が悪化します。特に末端である手や足の血流が悪くなると、冷えやこわばりを感じやすくなるのです。

手のこわばりが続くと、女性は無意識のうちに手を使うことを避けるようになります。これにより、手の筋肉や関節を使う機会が減り、さらに硬直が進むという悪循環に陥る可能性がありますので、ホルモンバランスを整えるための適切な治療や、日常的なケアを通じて症状を緩和する努力が必要となってきます。

関節拘縮を予防するには

関節拘縮を予防するための方法を、これから詳しくお話ししていきます。

日常生活でなるべく関節を動かす

関節拘縮の予防には、日常生活の中でできるだけ関節を動かしていくことが重要です。特に、長時間同じ姿勢を続けることが多い高齢者や、障害を持っている方は、意識的に行っていく事をおすすめします。

例えば、テレビを見るときなど、座ったままでもできるストレッチを取り入れたり、家事の最中には関節の動きを大きめに広げるような動作を心がけると良いでしょう。また、歩行や体操など、適切な運動を続けていくことが、関節拘縮の予防には効果的です。

関節を長い間動かしていない

仕事やコンピューター作業などで長時間同じ姿勢を続けていると、関節が固まりこわばりを感じることがあります。このような状況は、現代社会ではよくある事で、多くの人が経験している問題です。

このこわばりは、筋肉や腱が緊張状態にあることから生じるものであり、関節の可動域が制限されることで、動かす際に不快感や痛みを感じることがよくあります。

また、手の血流が悪くなることで、筋肉や関節への酸素供給が不足し、疲労物質が蓄積しやすくなります。これがさらにこわばりを悪化させる要因となり、放置すると慢性的な痛みや関節の変形などの問題につながる可能性もあります。

手のこわばりに効果的なマッサージ

手のこわばりは、マッサージでその症状を和らげることができます。

これから、手のこわばりに効果的なマッサージ方法について詳しくお話しし、どのように実践すれば症状が改善されるかをご紹介いたします。手軽にできるマッサージで、日常生活の快適さを取り戻しましょう。

手首や指を反らす

手首や指のこわばりを感じたら、まずは手首や指を反らすストレッチから始めましょう。この簡単なストレッチは、手の柔軟性を高め、こわばりを軽減するのに非常に効果的です。まず、手を前に伸ばし、手のひらを下に向けます。次に、反対の手を使って指先を自分の方へ軽く引きつけます。この時、手首がしっかりと伸びていることを確認してください。無理をせず、心地よい範囲で引きつけることが大切です。少しの間その状態を保ち、手首や指の筋肉が伸びていくのを感じてください。

次に、反対側も同様に行います。手首を上に向け、指先を背中側へと軽く押し上げます。この動作もゆっくりと行い、手首が自然に伸びるように意識します。このストレッチは、一日の中で数回繰り返すことで、手首や指の筋肉が徐々にほぐれていくのを感じることができるでしょう。

さらに、手のひら全体を使ったストレッチも取り入れると効果的です。手を握りしめ、次にパーッと開く動作を何度か繰り返します。この動作は、手全体の筋肉をリラックスさせ、血流を促進します。手首を円を描くように回すストレッチも有効で、手首の関節を柔軟に保つことができます。

指の間を広げる

続いて、手のひらを広げ、指の間を開くストレッチも手のこわばりを解消するために非常に効果的です。このストレッチを行う際には、全ての指を広げることを意識しましょう。ポイントは、できるだけ指の間を広げることです。指の間が広がることで、普段使わない筋肉や腱が伸び、血流が促進されます。

さらに効果を高めるために、指の間にタオルやペンを挟んで開くという方法も試してみてください。これにより、指の間隔をより広げることができ、筋肉をしっかりと伸ばすことができます。

指の間の筋肉が伸びる感覚に集中しながら、ゆっくりと動かすことが重要です。急いで動かすと逆効果になりかねないので、ゆっくりと、丁寧に指の間を広げる動きを繰り返しましょう。

これを行うことで、手全体の筋肉がほぐれ、より深いリラクゼーションを得られるでしょう。日常的にこのストレッチを取り入れることで、手のこわばりが軽減され、手の柔軟性が向上します。

手のツボを押す

最後に、手のツボを押すマッサージも、手のこわばりを解消するための効果的なリリース方法の一つです。手には多数のツボが存在し、特に「合谷(ごうこく)」というツボは、手のこわばりや痛みを軽減する効果があるとされています。

合谷は、親指と人差し指の骨が交わる部分に位置しており、この部分を軽く圧迫するように押すと良いでしょう。軽い圧力をかけることで、ツボが刺激され、血行が促進されます。

さらに、「労宮(ろうきゅう)」や「三間(さんけん)」といったツボもあります。

労宮は手を軽く握ったときに、中指の先端が当たる手のひらの中央付近に位置します。手のひらの中心からやや指寄りの部分で、第二、第三中手骨の間にあります。この部分を指の腹を使って優しく押すことで、リラックス効果を得ることができます。

三間は手の甲側で、手の人差し指(示指)の第二関節(近位指節間関節)のすぐ下に位置、第二中手骨(人差し指の骨)の基部(手のひらから出ている部分の根元)と第二関節の間の部分にあります。手全体の血行を良くし、こわばりを和らげる効果があります。

これらのツボを順番に押すことで、手全体のリラックス効果を高めることができます。

指の腹を使って、優しく圧を加えていくことがポイントです。過度な力を加えると逆効果になることもあるため、心地よい程度の圧力で行うことが大切です。ツボ押しは、短時間で簡単にできるので、日常生活の中に取り入れやすい方法です。

特に、仕事や家事の合間、リラックスタイムに行うことで、手の疲れを効果的に解消することができます。また、ツボ押しマッサージを行う際には、深呼吸をしながらリラックスすることを心がけましょう。

リラックスできる体勢を保って介助する

関節拘縮がある方の介護では、リラックスできる体勢を保つことが非常に重要です。リラックスした体勢を保つことで、筋肉の緊張を緩和し、関節への負担を軽減することができ、介護される方が安心して介助を受けられるだけでなく、介護者自身もスムーズにケアを行うことができます。

また、介護される方と常にコミュニケーションを取り、気持ちや感覚に注意を払うことも大切です。痛みや不快感を感じている場合はすぐに対応し、安心して介助を受けられるように心掛けます。

解決しないようであれば通院する

肩こりや腰痛と並んで、多くの方が悩む手のこわばり。マッサージやストレッチ、温湿布など、様々なセルフケアを試してみても改善しない場合は、根本的な原因を見極めるために専門家の診断を受けることを強くおすすめします。

特に、手のこわばりが日常生活に支障をきたすほどの痛みを伴う場合や、こわばりが長期間にわたって解消されない場合は、早めの通院が必要です。放置すると、筋肉や関節に慢性的なダメージを受け、手の機能が著しく低下するリスクがあります。

例えば、手のこわばりの背後には関節リウマチや腱鞘炎などの疾患が隠れている可能性があります。これらの疾患は自己免疫疾患や炎症が原因であり、適切な治療を受けなければ症状が進行してしまうことがあります。

手のこわばりの原因を特定するためには、専門医による診断が不可欠です。診断には、問診や身体検査、場合によっては血液検査や画像診断(X線やMRI)が行われます。

これにより、どのような疾患が原因となっているのかを特定し、最適な治療法を見つけることができます。治療法としては、薬物療法や理学療法、場合によっては手術療法が選択されることがあります。

早期に適切な治療を受けることで、手のこわばりによる不快感を軽減し、手の機能を回復させることが可能です。自己判断で症状を放置せず、専門家のアドバイスを受けることが重要です。

さくらリバースの紹介

手のこわばりは日常生活に大きな影響を与えることがありますが、適切なマッサージによって改善する場合も多くあります。

さくらリバースでは、手のこわばりに対するマッサージだけでなく、全身のリハビリや鍼灸治療も行っております。専門のスタッフが一人ひとりの状態に合わせた個別のケアプランをご提供し、最適なサポートを行います。ご自宅でリラックスしながら治療を受けられることで、より効果的なリハビリを受けていただく事ができます。

初めての方でも安心してご利用いただけるよう、丁寧にサポートいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

さくらリバースは、皆様の健康を第一に考え、心を込めてサービスを提供いたします。皆様のご利用を心よりお待ちしております。

まとめ

長い間同じ姿勢で作業をしたり、何らかの疾患によって、手がこわばるという問題に直面することがあります。本記事では、「手のこわばりに効果的なマッサージ」について、原因から対処法について解説しました。

関節や腱の病気、更年期に関するホルモンバランスの乱れ、そして筋肉を使わない生活が手のこわばりを引き起こす主な原因である場合があります。

効果的なマッサージ方法として、「手首や指を反らす」「指の間を広げる」「手のツボを押す」という三つの手法を紹介しました。これらの方法は、それぞれ関節や筋肉の柔軟性を高め、血流を改善し、痛みを軽減する効果が期待されます。

しかし、自己判断だけでマッサージを続けるのではなく、症状が改善されない場合は専門医の診断を仰ぐことが重要です。

手のこわばりに苦しんでいる方がこの記事を通じて少しでも楽になれば幸いです。

監修:市姫 久春
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師 株式会社さくらリバース 訪問鍼灸リハビリマッサージ事業部
   

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