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頚椎症性神経根症

症状と原因
頚椎症性神経根症

加齢に伴う首の骨(頚椎)の変性により、椎間孔という神経の出口が狭くなり神経根が圧迫されることが原因となる症状です。主な症状としては、左右どちらか片側の首~肩甲骨、腕、手や指かけての痛みやしびれなどが現れます。他にも腕の痛み・重だるさ・脱力感などを自覚する場合があります。最初は肩・首周辺の「寝違え感」を自覚し、そのまま腕の痛みやしびれに発展するケースが多く見られるのも特徴です。障害されている箇所により痛みやしびれる部位が異なり、特に下部頚椎(C5/6〜C6/7)が好発部位で、負担のかかっている箇所には首の後ろの皮膚に2、3本の横シワの所見がみられます。

頚椎の機能と解剖

頚椎は背骨の中で関節可動域が一番大きく、体重の約10%の重さである頭を支えています。体重50kgの人は約5kg(ボーリングの球11ポンドと同じ)の重みが頚椎には加わっており、とても負担のかかる部分であるのはよく理解できると思います。また、頚椎は全身のバランスを調整する働きがあり、特に胸椎のバランスの影響を強く受けています。

頚椎は全部で7つの骨から構成されています。頭側の上部頚椎にある2つの骨を環椎(第1頚椎)、軸椎(第2頚椎)といいます。頭を左右に回す際の回旋運動をしやすい形になっており、くるくると回るような動きをし、他の5つの首の骨と形が異なっています。頚椎の骨(椎体)一つずつをつなぐ部分には椎間板という柔らかい軟骨があり、クッションとしての役目を担っています。脊椎は後ろ側に脊髄神経が通るトンネル状の管があり、この管を脊柱管といいます。頚椎の骨が変形することでこの脊柱管が狭くなると脊髄の障害が現れることがあります。また、頚椎の骨と骨の間から出てくる神経の枝(神経根)が圧迫を受けると神経痛の症状が出ます。

一般的な治療期間

病院でもまずは保存療法が選択され、多くの場合が数週間~数ヶ月の間で症状は徐々に軽減します。痛みやしびれはいずれ消失するケースがほとんどです。ただし、症状が落ち着いても、不良姿勢などで頚椎に負担をかけると同様の症状が再発する場合もありますので注意が必要です。特にスマホ操作によるスマホ首には注意が必要です。
病院で処方された非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や神経障害性疼痛用の薬(例えばタリージェなど)の効果が乏しい場合には、別の治療法を探して施術を希望される方からお問い合わせを多くいただきます。そのような場合でも、処方されたお薬と併用して施術を受けられるとよいでしょう。

当院の施術内容

①筋・筋膜、②関節、③神経、④皮膚のそれぞれに対してアプローチすることで痛みやしびれの改善を目指します。マッサージをしてはいけないという情報も見られますが、たしかに力任せのマッサージはかえって逆効果です。当院では頚椎に負担のかからない姿勢や首の位置を作り出し、的確に対象となる筋・筋膜に対して無理のない手技療法を行います。
併せて鍼治療による消炎作用、鎮痛作用、血管拡張作用などで自己回復力を最大限引き出すこともおすすめです。
しかし、問題となる頚椎のコンディションを改善するには、頚椎へのアプローチだけは不十分です。首の下に連なる背骨(胸椎~腰椎~骨盤)がポイントとなります。そこでカイロ理論に基づき、背骨の関節を繊細かつ安全な手技で可動性を向上させます。その他にも筋膜リリースの機器を用いて皮下組織の血流促進を図るなど知識と技術を総動員して施術を行います。

予防&セルフケア

天井を見上げるような首の動き(伸展)は症状の悪化や再発につながる可能性があります。以外と見逃されているのは、猫背姿勢から顔を正面に向ける姿勢です。この姿勢は上を見上げてはいないのですが、下部頚椎(C5/6〜C6/7)に大きな負担がかかる姿勢です。特にパソコンやスマホ操作など現代社会では日常的に悪化因子となる猫背姿勢のシーンが多く存在しますので要注意です。
頚椎に負担のかかる猫背姿勢改善が根本原因を解決するための治療方針となるため、「ストレッチポール」や「キャット&ドッグ」などのセルフケアで背骨全体の関節可動性を向上するとよいでしょう。

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