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四十肩・五十肩

症状と原因

人口の2~5%程度が発症する四十肩・五十肩は肩関節周囲炎と呼ばれ、原因が特定できない肩関節の痛みと可動域制限を主な症状とする疾患です。好発年齢である40代~50代に多く発症するため、四十肩または五十肩と言われます。
過去に肩関節を痛めたことがある人(腱板損傷や骨折)、糖尿病の既往歴があると発症の可能性が高くなると関連性が示唆されています。
夜間の痛みは四十肩・五十肩の特徴的な所見です。その後、腕を横に上げる動作や、背中に手を回す動作、シャンプーやドライヤー動作が困難となり、徐々にこわばりが始まります。
「最初は肩の違和感程度で、しばらくしたら良くなると思い放っておいた。」
「時間がたっても良くならず、だんだんと痛くなってきた」
と問診時にお伝えいただくことが多いです。約2~3ヶ月経過後の受診となり、炎症期が長引くケースもみられます。肩に痛みや違和感を感じた場合は経過観察をせず、早めにご来院ください。

肩関節の機能と解剖
四十肩・五十肩

肩関節は関節の構造上、関節可動域が大きな関節です。そのため、関節包や靭帯、筋肉によって安定性を保っています。特に関節包は柔らかな組織構造で、肩関節を包んでいる袋状の膜です。この関節包が硬くなることで五十肩の原因となるのです。
また、肩関節を構成する肩甲骨には17個の筋肉が付着します。特に肩関節の主な動作筋として一番重要なのが三角筋です。三角筋の働きは肩関節の屈曲・伸展、外転、水平内転・水平外転です。五十肩症状で肩関節の動きが制限された状態が長く続くと、関節包だけでなく周囲の筋肉も拘縮を引き起こします

一般的な治療期間

保存療法が選択され、通常1~2年で良くなるとされています。大半の人は完全に機能回復しますが、中にはこわばり感や痛みが残る人もいるため痛みが改善した頃に治療を中止せず、可動域の完全回復までしっかり治療を続けることを強くお勧めします。

【改善までの目安】
ステージ1:炎症期2~9か月
ステージ2:拘縮期4~12か月
ステージ3:回復期1~3年

当院の施術内容

五十肩の原因は関節包の炎症です。この炎症を発端として周囲の筋・腱・関節包などに拘縮が起きます。総合治療院であればそれぞれのステージに応じて適切な治療法を受けることができます。

【ステージ1】炎症期 
炎症を最小限・最短に抑えることに集中する期間です。
消炎・鎮痛作用のある鍼灸治療がおすすめです。鍼灸が苦手な方はメディセルを用います。夜間痛が軽減してきたら次のステージへ突入です。(5合目付近)
●手技療法・マッサージ
●鍼灸:消炎作用・鎮痛作用
●メディセル:皮膚を吸引することで皮膚と筋膜の癒着を引きはがし、皮膚の滑走性を出します。

【ステージ2】拘縮期 
拘縮を最小限にするための施術を中心に行います。
●手技療法・マッサージ
●鍼灸:鎮痛作用・緊張緩和
●メディセル:皮膚を吸引することで皮膚と筋膜の癒着を引きはがし、皮膚の滑走性を出します。
●整体:固まった関節や軟部組織に対して無理のない範囲で関節の運動を行います。

【ステージ3】回復期 
関節可動域を完全回復させるための施術を中心に行います。

予防&対処法

五十肩のリスク軽減に役立つよう巻き型や猫背の改善、肩関節の可動域向上が大切です。
痛みが出る動作やポジションをコントロールすることで症状悪化を最小限に抑えることができます。
また長期間、肩関節を動かさないでいると次第に首や背中の痛みが生じる原因となりますので適切なエクササイズを指導します。

●寝る姿勢の工夫
肘が肩よりも下に下がらないようにタオルを入れて高さを出して寝ると楽です。抱き枕を使用すると楽になるケースもあります。

●クーラー対策 冷やすと悪化する場合がしばしば見られます。夏場はエアコンの冷気や扇風機の風に直接当たらないよう注意してください。

●コッドマン体操 前傾姿勢で腕を垂直至らし、振り子のように前後左右に振る運動です。肩周りの筋肉をほぐすことでこわばりを改善する目的で行います。

●ストレッチポール 関節可動域が改善してきたら、ストレッチポールがおすすめです。肩甲上腕関節、肩甲胸郭関節、脊柱・胸郭・肋骨と幅広いアプローチが可能です。

●キロテープ 皮膚にテープを貼ることで、皮下組織の循環を高め血行促進を促します。

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