
腰仙部から足底にまでかけて広がっている坐骨神経は人体で一番太く、長い神経です。姿勢や外力などの影響、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの様々な原因によって坐骨神経が圧迫や絞扼などの障害を受けると、痛みやシビレなどが出ます。多くの場合は腰痛に引き続いて現れることが多く、次第に臀部や太ももの後面、すねや足先に痛みやシビレのような痛みが現れることがあります。これらの症状を坐骨神経痛といいますが、症状に基づいた呼び名であり診断名ではありません。
坐骨神経痛は中高年の方に多く見られ、先述の通り腰から足先にかけて痛みやシビレを生じることもあれば、足の張りや冷感や灼熱感、締め付け感などの症状も伴うことがあります。
◎原因
加齢や体重増加、運動不足など様々な原因がありますが、坐骨神経痛は
・腰椎椎間板ヘルニア
・腰部脊柱管狭窄症
・腰椎分離症、すべり症
・変形性脊椎症
・梨状筋症候群
などで現れることがほとんどです。
これらは放置しておくと痛みやシビレだけでなく、下肢の感覚異常や膀胱直腸障害などへ進行するリスクがあるため早めの治療をおすすめします。
腰は人体において『要(かなめ)』となる重要な部位です。骨盤(仙骨)や股関節、胸椎と連結しており、日常生活において体を反る、曲げる、捻るなど様々な動きに関係しています。それだけでなく、腰椎は胸椎や頚椎とは異なり椎骨が大きい為、衝撃を吸収するサスペンションのような働きを担っています。その為負担がかかりやすく、痛みやシビレなどの症状を誘発する原因となることが多いです。
基本的に保存療法が選択され、通常1~2ヶ月ほどで自然に痛みが改善する場合もありますが、自然に治ったとしても再発することがほとんどです。
症状が強い場合には、ブロック注射や手術を勧められる場合も少なくありません。
坐骨神経痛は原因が様々です。それぞれの原因に合わせた治療を行えば、症状が改善します。
筋肉の柔軟性を向上させるために手技療法を行います。マッサージはしてはいけないという事も耳にしますが、当院の手技療法は違います。力任せではなく、腰椎や仙腸関節に負担がかからない姿勢を作るために筋・筋膜に対して無理のない手技療法を行います。
それだけでは根本原因の改善ができず、再発してしまうことがあります。坐骨神経痛を根本から改善するためには、骨盤や背骨(胸椎)へのアプローチも必要不可欠です。カイロ理論に基づき、背骨の関節を繊細かつ安全な手技で可動性を向上させます。その他にも筋膜リリース機器を用いて皮下の血流促進や 、鎮痛・消炎作用を目的に鍼灸施術も行います。
坐骨神経痛は治療も重要ですが、日常生活から腰への負担を軽減させることも重要です。
・ストレッチ
座る、立つ、歩くすべての動作で腰や骨盤周囲の筋肉に負担をかけています 。腰だけでなく、お尻や太もものストレッチを行うと緩和されることもあります。コンディションに合わせて無理のないストレッチやエクササイズをお伝えします。
・座り姿勢に気を付ける
坐骨神経痛の多くの方は、座っている姿勢が猫背になっている事が多いです 。猫背の状態が続くと筋肉や関節の柔軟性が高まり、痛みを誘発しやすいので骨盤を立たせて良い座り姿勢を保てるようにしましょう。また、長時間座る時にも定期的に立ち上がり腰を曲げたり捻ったり動かすことも大切です。
・キロテープ
皮膚にテープを貼ることで、皮下組織の循環を高め血行促進を促します。
●立ち仕事やよく歩く方には【靴選び】や【インソール療法】も重要
坐骨神経痛の根本原因が足元にある場合には、腰や骨盤周囲を治療していても再発してしまうことがあります。そんな方の為に当院では、正しい靴選びをしていただくために【無料の足の計測】や【完全オーダーメイドインソール】を行っております。