関節拘縮のリハビリ方法は?注意点とポイントについて解説します!

監修:森田 進
2024年04月29日
関節拘縮のリハビリ方法は?注意点とポイントについて解説します!
関節を自由に動かせなくなる「関節拘縮」。これは私たちの日常生活に大きな支障をもたらします。

拘縮の理解からリハビリ法、注意点・ポイントをご紹介します。
目 次

関節拘縮について

関節拘縮というのは、何らかの原因で筋肉や靭帯、関節包が、硬くなったり短縮したりする事で、関節の動きが制限される状態を指します。

普段は問題なく行っている動きが、拘縮により困難となることで、日々の生活に影響が出てきます。関節を動かすことが難しいため、リハビリなどによる改善が重要となります。

拘縮とは

拘縮は、単に物理的な不便を引き起こすだけでなく、動くたびに痛みを感じることがあり、日常生活に影響を及ぼします。特に、長時間同じ姿勢で過ごすことが多い人々にとって、拘縮は正しい姿勢を保つことを難しくさせる原因となります。その結果、体のバランスを崩し、さらなる健康問題を引き起こすこともあります。

特に、関節をあまり動かさない生活を送っていると、筋肉が固まりやすくなり、拘縮が進行するリスクが高まります。このような状態が続くと、生活の質が著しく低下し、日々の活動が一層困難になるだけでなく、心にも大きな影響を及ぼすことになります。自由な動きを拘縮が妨げることにより、不安やフラストレーションが増大するのです。

関節拘縮の問題点

関節拘縮が起きると、関節の可動域が制限されるため、日常生活におけるさまざまな動作が困難になり、結果として生活の質を大幅に低下させることになります。例えば、足の関節が拘縮すると、歩行が困難になります。これは単に移動することの不自由さだけでなく、自立した生活を送ることへの大きな障害となり、個人の自由や外出の楽しみを奪ってしまいます。

また、手指が拘縮すると、日々の簡単なタスクでさえ一苦労になります。物をつかむ動作や書き物など、わたしたちが当たり前のように行っている活動が、一つ一つ困難なものに変わってしまうのです。

拘縮がさらに進行すると、関節の形が変わり、時には生活を支える基本的な動作さえも不可能になることがあります。この段階になると、多くの場合、外科的な治療が必要になることもあり、これは患者にとって大きな精神的負担となります。

関節拘縮の原因

関節拘縮の原因は多岐にわたります。多くの場合、怪我や疾患による長期間の安静(活動不足)が引き金となり、同じ姿勢を長時間続けることで関節を構成する組織が固まり、柔軟性を失った結果起こります。この状態は、身体的な不自由さと、患者のフラストレーションや孤独感を感じさせることがあります。

また、関節に炎症反応が生じることも、拘縮の一因となり得ます。炎症が持続することで関節に過剰な負担がかかり、それが拘縮へと進行するのです。痛みや不快感だけでなく、日常の簡単な動作さえも困難になり、これがさらに患者の心理的な苦痛を増すことになります。

そして、年齢を重ねるごとに関節は摩耗しますが、その結果、関節が変形し、自由な動きを妨げ、拘縮を起こすことがあります。また、適度な運動を行わないことで筋肉が衰え、関節を支える力が弱まるため、不自然な負荷が関節にかかりやすくなる事も原因となります。

リハビリ方法

関節拘縮に対するリハビリ方法は、日常生活での動作や運動能力の向上を目指す重要なプロセスです。 リハビリ方法について紹介します。

簡単な運動を繰り返し継続する

関節拘縮の改善には、簡単ながらも効果的な運動を定期的に行うことが非常に重要です。たとえば、指の関節が拘縮している場合、指を動かしたり、手のひらを開閉するエクササイズを行うことが推奨されます。これは関節の可動域を徐々に回復させるための重要なステップです。

また、足の関節に問題のある場合には、足首を回したり、つま先立ちをするなどが効果的です。単純な動作かもしれませんが、継続することで関節の動きを徐々にスムーズにし、筋肉を強化する効果が期待できます。

これらの運動を日常的に取り入れることは、時に忍耐が必要とされることもありますが、小さな努力が積み重なり、大きな成果へとつながるのです。運動を継続することで、不可能に思えた動きが少しずつ可能になり、それが更なるモチベーションに繋がります。そして大切なのは、運動を無理なく、そして根気強く続けることができるような環境を整えることです。

関節可動域訓練

関節の可動域を広げるための訓練は、関節拘縮のリハビリにおいて非常に重要な役割を果たします。たとえば、膝をゆっくり曲げ伸ばしする運動や、肩を円を描くように回す肩回し運動などが一般的です。

これらの運動は、関節を柔らかく動かしながら徐々にその動きの幅を拡大していくという方法で行われます。この時、無理な力を加えすぎたり、痛みを伴う運動をして、関節や筋肉に余計な負担をかけ、リハビリが逆効果とならないよう注意しなくてはいけません。

リハビリは痛みを伴うべきではなく、安全に、安心感を持って継続できるものでなければなりません。個々の患者の状態に合わせて、適切な負荷の選定が非常に重要となります。患者一人ひとりの体力や現在の健康状態を考慮し、専門家と密に連携しながら、最適なリハビリプログラムを組むことが、成功への鍵を握ります。

そのためには、定期的な評価と適応が欠かせません。物理療法士やリハビリ専門の医師は、リハビリの各ステージで患者の反応を観察し、必要に応じて運動プログラムを調整します。これにより、患者は安全かつ効果的に関節の可動域を広げることができるようになります。

マッサージ

リハビリにおけるマッサージは、関節周りの筋肉や組織の柔軟性を高めることを目的としています。マッサージにより筋肉への血行が改善され、緊張がほぐれていくことで、関節の動きがスムーズになります。それだけでなく、患者の心に深いリラクゼーションも与えてくれます。

マッサージは、技術の精度が非常に重要です。マッサージの圧が過度であると、筋肉や組織にダメージを与え、回復の妨げになることもありますので、専門家による施術が推奨されます。

リハビリプロセスにおいて、マッサージは補助的な役割でなく、治療の中心となることができます。適切に行う事によって、身体の各部が調和し、自然な動きが促進され、全体的な健康が向上します。

関節拘縮リハビリの注意点とポイント

関節拘縮のリハビリにおいては、患部への配慮と、患者さんの精神状態を考慮することが非常に重要です。痛みを伴わない範囲での適度な運動やストレッチが基本となりますが、無理な運動は逆効果になることがあります。 ここでは関節拘縮リハビリの注意点とポイントについて解説します。

ゆっくり動かし痛みがないようにする

関節拘縮のリハビリにおいて心掛けるべき重要なポイントの一つは、ゆっくりとした動作で関節を動かし、患者が痛みや不快感を感じないように細心の注意を払うことです。

急激な動きは、関節や周囲の組織に余計な負担をかけ、治療の進行に悪影響を及ぼすことがあります。リハビリは、患者の体調や拘縮の具合に合わせてカスタマイズされるべきものであり、患者のペースに応じて慎重に進められる必要があります。

リハビリは、段階的に関節の可動域を拡大していくことが大切で、焦らず穏やかなペースで目標へ向かう必要があります。そのためには、リハビリを行うスタッフが患者の痛みや不快感に対して注意深くあることが重要です。そしてそれに応じて、リハビリの強度や方法を調整することがとても大切です。

適切なポジショニングで行う

関節のリハビリを行う際には、適切なポジショニングが非常に大切です。関節や筋肉に無理な負荷がかからないように、患者の姿勢を正確に整える必要があります。

床やベッドに対しての正しい横たわり方、または座る姿勢の取り方など、ポジショニングを適切に行うことで、リハビリの効果を高めると同時に、関節に余計なストレスをかけることなく治療を進めることができます。またポジショニングの際には、患者がリラックスした状態でいられるよう、心地よいクッションや支えの使用も考慮すると良いでしょう。

姿勢を長時間一定にしない

長時間同じ姿勢を保つことは、関節拘縮のリスクを高めてしまう要因となります。日常生活において、定期的に姿勢を変えることで関節拘縮のリスクを減らすことができます。

リハビリの際にも同様に、定期的なポジションの変更を心掛けることが重要です。特に、拘束や麻痺によって自由に体を動かすことが困難な患者さんの場合には、スタッフが意識的にポジションの変更を行う必要があるでしょう。

さくらリバースについて

さくらリバースでは、患者様のご自宅やお住まいの場所にお伺いし、その方の身体の状態に合わせた最適な施術をご提供しております。

関節拘縮のリハビリ方法にも精通しており、患者様の日々の生活の質の向上をお手伝いしたいと考えています。病院に行くことが難しい方や、急な体調変化にも迅速に対応し、安心して治療を受けていただけるよう心がけております。どうぞお気軽にご相談ください。

まとめ

関節拘縮におけるリハビリ方法は、個々の状態を把握したうえで行うことが極めて大切です。本記事では、拘縮の基本的な知識から、リハビリでの適切な運動やポジショニング、それに加えてマッサージといった実践的な方法をご紹介し、関節拘縮に対する理解を深めるとともに、その回復へ向けたポイントと注意点を解説しました。

これからのリハビリにおいて、痛みを避けつつ、効果的な取り組みを進められるよう、この情報が役立つことを願っております。

監修:森田 進
株式会社 さくらリバース 人材開発部 兼 事業開発部 部長
   

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