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リハビリマッサージとは
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リハビリマッサージ足関節・足首のセルフケア法や訪問の受け方を解説します

監修:市姫 久春
2025年11月07日
リハビリマッサージ足関節・足首のセルフケア法や訪問の受け方を解説します
足首の痛みや動かしにくさで歩くのがつらい、そんな経験はありませんか?

実は、毎日のちょっとしたケアで足関節の調子は大きく変わります。

本記事では、自宅で簡単にできるマッサージ方法から、プロの訪問サービスの上手な活用法まで、あなたの足首を元気にする方法をわかりやすくご紹介します。
目 次

足関節・足首のリハビリマッサージを始める前に

リハビリマッサージは、足関節や足首の機能回復において重要な役割を担っています。適切な知識を持って取り組むことで、より安全で効果的な結果が期待されます。

どんな症状に向いているの?(むくみ・痛み・硬さなど)

訪問マッサージが効果を示す症状には、身体の各部位において以下のようなものが挙げられます。

むくみ・循環障害

■下肢のむくみ
・循環不良
・血液やリンパの流れを促進する
・足首周辺の筋肉をほぐすことで、「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎの機能が向上
・全身の循環改善
・長時間の立ち仕事や座り仕事による下肢のうっ滞

■全身のむくみ
・水分貯留
・心疾患や腎疾患に伴うむくみの軽減
・薬剤性むくみの緩和
・高齢者に多い慢性的なむくみの改善

関節の硬さ・可動域制限

■足関節・足首
・長期間の安静や加齢により硬くなった足関節周辺の筋肉や腱の柔軟性を高める
・足首の背屈
・底屈動作の改善
・歩行時の蹴り出しや着地動作の円滑化

■肩関節・肩甲骨周辺
・肩関節周囲炎(五十肩)による可動域制限の改善
・肩甲骨周辺の筋肉のこわばり解消
・上肢の挙上動作や日常生活動作の向上

■股関節・膝関節
・変形性関節症による関節可動域の制限
・人工関節術後の機能維持と改善
・歩行動作の安定性向上

筋肉の緊張・痛み

■頸部・肩部
・慢性的な肩こり、首のこりの緩和
・頸椎症による筋緊張の軽減
・頭痛の軽減効果

■腰部・背部
・慢性腰痛の症状緩和
・脊柱起立筋の緊張緩和・長時間の臥床による背部痛の改善

■下肢全体
・ふくらはぎや足首周辺の筋肉疲労の改善
・適度な圧でのマッサージにより筋緊張を緩和
・下肢の痛みやしびれの軽減

特定疾患に伴う症状

■脳血管疾患後遺症
・片麻痺による筋緊張の調整
・拘縮予防と関節可動域の維持
・感覚機能の改善促進

■パーキンソン病
・筋固縮の緩和
・振戦や動作緓慢の症状軽減
・姿勢反射障害の改善

■廃用症候群
・長期臥床による筋萎縮の予防
・関節拘縮の進行抑制
・血行不良の改善

精神的・心理的症状

■ストレス・不安
・リラクゼーション効果による精神的安定
・自律神経の調整
・睡眠の質の向上

■孤独感・うつ症状
・人との触れ合いによる心理的安定
・定期的な訪問による生活リズムの改善
・コミュニケーションによる精神的支援

全身の機能低下

■体力・筋力低下
・全身の筋力維持と向上
・体力の維持と日常生活動作の改善
・転倒予防効果

■免疫力・自然治癒力
・血行促進による免疫機能の向上
・自律神経の調整による自然治癒力の活性化
・疲労回復の促進

これらの症状に対して、個々の身体状況や病状に応じて適切な施術内容が組み合わされ、継続的なケアを通じて症状の改善や生活の質の向上を図ります。

始めるタイミング

リハビリマッサージを始める時期は、急性期の炎症や強い痛みが落ち着いた段階が適切です。

骨折ではギプスなどの固定が外れ、骨が安定してから本格的に施術が行われます。足関節の捻挫では、受傷後およそ2週間を目安に、痛みが和らいできた時期から段階的に取り入れるケースが一般的です。

医療保険を利用する場合には医師の同意書が必要で、施術は必ず医師の指示に基づいて行われます。理学療法士によるマッサージも同様に、法律上、医師の指示が義務付けられており、患者の状態を評価したうえで適切なタイミングが判断されます。

頻度の目安

施術の頻度は、症状の程度や回復の段階によって調整されます。

一般的には回復期では週3〜5回、維持期では週2〜3回のペースが多く用いられています。訪問マッサージは医療保険を利用できるため回数制限はありませんが、厚生労働省の規定により月16回以上の施術を続ける場合は「施術継続理由・状態記入書」の提出が必要です。

また、同意書の有効期限は6か月と定められており、継続する場合には定期的な更新が欠かせません。施術頻度は画一的に決められるものではなく、症状の改善度や生活状況を考慮し、医師と相談のうえで最も適切なペースが決定されます。

施術を避けた方がいい場合

リハビリマッサージには、安全性の観点から施術を避けるべき状態があります。

無理に行うと症状が悪化する恐れがあるため、以下のようなケースでは施術を見合わせ、必要に応じて医師の診察を受けることが重要です。

● 急性期の症状
急性炎症(例:腹膜炎、虫垂炎)
急性熱性疾患
急性伝染病

● 重篤な疾患
悪性腫瘍(癌・肉腫など)
出血性疾患(吐血・喀血・脳出血直後など)
重度の内臓疾患(心臓弁膜症、腎炎など)
血管病(動脈瘤、高度の動脈硬化症など)

● 外傷直後
開放創(傷口)
骨折や脱臼の直後期間

● その他の禁忌状態
深部静脈血栓症(急性期)
蜂窩織炎などの感染症

これらに該当する場合は、症状が安定するまで施術を延期することが安全な選択となります。施術を再開してよいかどうかは、必ず医師の判断を仰ぐことが安心につながります。

医師への相談が必要な場合

医療保険を利用してリハビリマッサージを受ける場合は、医師の同意書が必須となります。

同意書にはマッサージの必要性、施術部位、頻度などの具体的な指示が記載され、かかりつけ医が主治医として継続的な医学管理を行います。

理学療法士によるマッサージも医師の指示が法的に義務付けられており、独自の判断での実施は認められていません。同意書の有効期限は6か月間のため、継続的な施術には定期的な更新と医師の診察が必要です。

自費での施術の場合は同意書は不要ですが、安全性の観点から症状や既往歴について事前に医師へ相談することが推奨されています。特に心疾患、血液疾患、悪性腫瘍の既往がある方は、必ず医師の判断を仰ぐことが重要とされています。

自宅でできるリハビリマッサージと足首セルフケア

理学療法士が推奨する安全で効果的なセルフケア方法をご紹介します。日常生活の中で取り入れやすい方法を中心に、足関節や足首の健康維持に役立つ運動をまとめました。

ふくらはぎをやさしくさする

ふくらはぎの筋肉をほぐすことは、血液を心臓に押し戻す働きを助けるため「第二の心臓」と呼ばれる循環機能の改善につながります。自宅でも簡単に取り入れられる方法を紹介します。

方法
椅子に腰かけ、片足をもう一方の膝にのせます。両手でふくらはぎ全体を包み込み、足首から膝に向かってやさしく揉みほぐしてください。1回につき1〜2分を目安に、両足を交互に行います。圧は痛みを感じない程度にとどめ、ゆっくりとした動作を心がけることが大切です。

期待できる効果
筋肉のこわばりが和らぎ、血流が促されます。その結果、下肢のむくみや疲労感の軽減に役立ちます。さらに筋肉の柔軟性が高まることで、足首の動きがスムーズになり、日常の歩行動作が楽になることもあります。

注意点
強い圧をかけると血栓のリスクにつながるため、必ずやさしい力で行ってください。もし腫れや熱感がある場合は実施を控え、医療機関へ相談することが安全です。

足首の上下運動で血流をととのえる

足首の上下運動は、ふくらはぎの筋肉が持つポンプ機能を活かして血流を促す、基本的なセルフケアです。座ったまま行えるため、日常に取り入れやすい運動といえます。

方法
椅子に座り、両足を床につけます。つま先を天井に向けるように足首をそらし、その後つま先を床に押し込むように下げます。ゆっくりと10〜20回繰り返し、1日2〜3セットを目安に行ってください。

期待できる効果
ふくらはぎの収縮と弛緩が繰り返されることで血流が促進され、むくみの軽減につながります。さらに足首周囲の筋肉や腱の柔軟性が高まり、歩行や立ち上がり動作が安定しやすくなります。長時間同じ姿勢でいる際に起こりやすい深部静脈血栓症の予防にも役立ちます。

注意点
動かす際は痛みを感じない範囲で行うことが大切です。強い違和感がある場合や足に腫れ・熱感がある場合は、無理をせず中止し、必要に応じて医師へ相談してください。

足裏ボールころがしで土台をほぐす

足裏の筋膜をほぐすことは、足部アーチの働きを整え、歩行時の安定や全身のバランス改善につながります。自宅でも簡単に行えるセルフケア方法です。

方法
テニスボールやゴルフボールなど、少し硬めの球体を使用します。市販のマッサージボールでも構いません。初めての場合は柔らかめのボールから始めると安心です。椅子に座り、片足でボールを踏み、足裏全体を前後左右にゆっくり転がします。特に土踏まずを丁寧にほぐすと効果的です。各足1〜2分を目安に、痛気持ちよい程度の圧で行ってください。

期待できる効果
足底筋膜が柔らかくなり、足底筋膜炎の不快感が和らぐことがあります。足部アーチの機能が高まることで歩行の安定性が増し、立位や歩行時の疲れを軽減しやすくなります。さらに血流が促進されるため、全身の疲労回復にも役立ちます。

注意点
強い痛みを感じるほどの圧は避けてください。足裏に炎症や腫れがあるときは実施を控え、必要に応じて医師へ相談することが安全です。

足指タオル寄せ(タオルギャザー)で支える力を育てる

足指の筋力を鍛えることは、足の安定性を高め、転倒予防にもつながる大切な運動です。タオルを使えば自宅で簡単に取り入れることができます。

方法
フローリングなど滑りやすい床の上にフェイスタオルを1枚広げ、椅子に座って行います。足指でタオルをつかみ、手前に引き寄せるように動かしてください。足指の屈曲を意識し、しっかり握り込むことがポイントです。1回につき1〜2分を目安に、両足交互で1日2〜3セットを行いましょう。

期待できる効果
足指の筋肉が強くなり、足部の安定性が増すことで歩行時のふらつきが軽減されます。また、転倒のリスクを下げる効果も期待できます。継続して取り組むことで、足指の神経機能が活性化し、2〜3か月で筋力の向上が実感できるようになります。

注意点
疲労を強く感じるまで続ける必要はありません。無理をせず、心地よい範囲で行うことが継続のコツです。足指や足裏に炎症や痛みがある場合は中止し、必要に応じて医師へ相談してください。

おふろ上がりにおすすめのリラックスケア

入浴後は体が温まり血流も良くなるため、セルフケアを行うのに最も適したタイミングです。リラックスした状態で取り入れると、マッサージやストレッチの効果をさらに高められます。

方法
湯上がりに、足首を左右に10回ずつ回し、ふくらはぎを1〜2分ほどやさしくほぐします。さらに足指を軽く広げてストレッチしたり、指の間を揉みほぐすのも効果的です。仕上げにアキレス腱まわりを軽く伸ばすと、下肢全体をまとめてケアできます。

期待できる効果
血行が促進されている状態で行うため、マッサージやストレッチの効果が大きくなります。筋肉の柔軟性が増すことで動かしやすさが向上し、日常の歩行や立ち上がりがスムーズになります。またリラックス効果によって自律神経のバランスも整い、心身の疲れをやわらげる助けになります。

注意点
入浴直後は血圧が変動しやすいため、激しい運動は控えてください。必ず滑りにくい場所で行い、転倒には注意が必要です。もし体調に違和感を覚えたら、無理をせずすぐに中止し、安静にすることが大切です。

ケガや疾患に合わせた足関節・足首のリハビリマッサージ

医療現場では、さまざまなケガや疾患に応じた足関節・足首のリハビリマッサージが実践されています。いずれも医師の同意のもと、国家資格を持つ専門家による適切な評価と施術が前提となります。

捻挫

足関節捻挫は最も多い外傷の一つであり、初期対応を誤ると後遺症につながるため、早期の適切なケアが大切です。炎症を抑える段階から機能回復まで、症状に応じて段階的に進めていくことが予防につながります。

急性期は安静・冷却・圧迫・挙上(RICE処置)が基本で、この時期のマッサージは炎症を悪化させる恐れがあるため行いません。腫れや熱感が落ち着いてきた亜急性期以降に、医師の判断のもとでマッサージが取り入れられる場合があります。

施術ではまず患部周囲の筋緊張をやわらげ、血流を促す手技から始めます。あわせて足関節の可動域訓練を行い、足首の固有感覚の回復を助けます。捻挫を繰り返す方の約4割が慢性足関節不安定症に進行するリスクがあるため、継続的なリハビリと定期的なフォローアップが重要です。

骨折後の足関節

足関節骨折後のセルフケアは、ギプスを外した段階から本格的に始まります。固定によって硬くなった関節をやわらげ、落ちた筋力を少しずつ回復させることが大きな目的です。

初期は、足指でタオルを手繰り寄せるタオルタッキング運動が有効で、筋力と柔軟性を同時に高められます。その後は、足首の上下運動や外返しの動きを段階的に取り入れていきます。あわせて、ふくらはぎをやさしくマッサージすることで血流が促され、回復を助けます。

こうした運動は理学療法士の指導を受け、痛みを感じない範囲で継続することが大切です。歩行が安定するまでには一般的に2〜3か月ほどかかりますが、早めに体を起こし、適切な荷重をかけることが合併症予防につながります。無理をすると回復が遅れる場合もあるため、強い痛みが出たときは早めに医療機関へ相談することが安心です。

手術後の足関節

足関節の手術後は、術式や回復の段階に応じてセルフケアを進めます。人工足関節置換術では術後2週間ほどでギプスが外れ、関節を動かす練習や歩行訓練が始まります。足関節固定術では通常歩行まで2〜3か月かかり、松葉杖を使った段階的な荷重訓練が中心となります。

リハビリは初期に可動域訓練から始め、次に筋力強化、さらに日常動作の練習へと進んでいきます。自宅では理学療法士の指導に従い、自主訓練に加えて軽いマッサージや温熱療法を取り入れると効果的です。

退院後も1か月ほどリハビリを続けることが回復の鍵となり、医師の指示を守ることが安全な改善につながります。

関節が硬くなったとき

長期間の不活動や疾患の影響で足関節に拘縮が生じた場合は、段階的で丁寧なアプローチが必要です。関節可動域を制限している組織の柔軟性を改善することを目的に、リハビリマッサージが行われます。

施術前に温熱療法を取り入れて組織を温めると血流が促され、マッサージの効果が高まりやすくなります。関節周囲の筋肉や筋膜に対しては、痛みを感じにくい範囲で持続的に圧をかけてゆるめる手技が用いられます。急激な動作は組織を傷める危険があるため、常にゆっくりと行うことが原則です。

拘縮の進行度に応じて施術の強さを調整し、患者の反応を確認しながら段階的に可動域を広げていきます。1日あたり15〜20分の全可動域運動を2〜3回行うと効果的であり、継続して取り組むことが改善への鍵となります。回復には時間がかかるため、患者本人だけでなく家族への説明と理解を得ながら進めることが大切です。

変形性足関節症

変形性足関節症は軟骨の変性によって痛みや関節の動きの制限を引き起こす疾患です。治療では保存的アプローチが基本となり、その一環としてリハビリマッサージが取り入れられることがあります。症状の進行を抑え、機能をできるだけ維持するためには、継続的なケアが欠かせません。

足底挿板を用いて荷重バランスを調整しながら、関節周囲の筋肉の緊張をゆるめるマッサージを行います。痛みのある関節に直接強い圧をかけることは避け、周辺の筋肉や軟部組織の柔軟性を高めることに重点を置きます。血流が改善することで、関節内にたまった炎症性物質の排出が促され、痛みの軽減にもつながります。

施術は患者の痛みの程度や関節変形の進行度に応じて調整され、無理のない範囲で行うことが基本です。また、温泉療法や温熱療法を組み合わせると筋肉のこわばりを和らげる効果が高まります。症状の経過を見ながら手技の内容を適宜見直し、長期的に関節機能を保つことを目指していきます。

妊娠・産後の足首トラブル

妊娠期にはホルモンの影響で体内の水分バランスが変化し、足首のむくみが起こりやすくなります。セルフケアとしては足首の回転運動やふくらはぎのやさしいマッサージが効果的ですが、子宮収縮に関係するとされるツボ(三陰交や太谿など)への強い刺激は避ける必要があります。

産後はホルモン変化に加え、授乳による長時間の座位姿勢で下半身に水分がたまりやすくなります。足首からふくらはぎに向かって下から上へさすり上げる方法や、足を少し高くして休む工夫がおすすめです。特にお風呂上がりは血流が良いため、マッサージの効果が高まりやすくなります。ただし、急な腫れや痛みを伴う場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。

子どもの足首トラブル

成長期の子どもは骨端線(成長軟骨)が存在するため、大人とは異なる損傷が起こることがあります。筋肉の伸びが骨の成長に追いつかず、筋肉が硬くなりやすいのも特徴です。このため軽い捻挫でも後遺症につながる場合があります。

特に足関節捻挫では腓骨遠位骨端線離開のリスクがあり、専門的な診断が欠かせません。急性期は安静・冷却・圧迫・挙上(RICE処置)が基本で、炎症が強い時期のマッサージは症状を悪化させるため避けます。

痛みや腫れが落ち着いた段階から、医師や理学療法士の指導のもとで関節の動きの回復、筋力強化、再発予防のリハビリを進めることが重要です。成長期に合わせた適切な対応が、将来の機能障害を防ぐことにつながります。

訪問リハビリマッサージで足関節・足首をケアする

自宅で足関節や足首の専門的なケアを希望する方にとって、訪問リハビリマッサージは安心できる選択肢のひとつです。外出が難しい場合でも、国家資格を持つあん摩マッサージ指圧師が自宅を訪問し、専門性の高い施術を受けられます。

利用できる対象

訪問リハビリマッサージを利用できるのは、通院が難しく、医療的にマッサージが必要と認められた方です。代表的な対象は、脳血管疾患の後遺症による麻痺や関節のこわばり、骨折や手術後の足関節の機能障害、変形性関節症による動きの制限などです。

要介護認定を受けている方や身体障害者手帳を持つ方、医師から「通院が困難」と診断された方であれば、年齢を問わず利用できます。診断名よりも実際の身体の状態が重視されるため、筋力低下や関節の動きに不自由さを感じている方は、まずは医師に相談することが大切です。

申し込みの流れ

訪問リハビリマッサージを始めるには、最初に医師の同意書が必要です。かかりつけ医や専門医に診察を受け、厚生労働省が定める様式で作成してもらいます。同意書は6か月ごとの更新が必要です。

同意書を取得したら、訪問マッサージ事業所に連絡し、利用相談を行います。スタッフが自宅を訪問して身体の状態を確認し、施術計画を説明します。利用者や家族が内容に同意すれば契約を結び、療養費の保険申請が進められます。申請が承認されれば、医療保険を利用した訪問マッサージがスタートします。手続きは事業所がサポートするため、初めての方でも安心して進められます。

医療保険・介護保険と自費利用のちがい

訪問リハビリマッサージは医療保険の適用対象であり、介護保険の枠外で利用できます。医師の同意書に基づき、医療上必要と判断された場合に限り健康保険が適用されます。そのため、介護保険の月額支給限度額に左右されずに利用できる点が特徴です。

医療保険が適用される場合の料金は、厚生労働省により全国一律で定められています。2024年の改定では、マッサージが1局所につき450円、往療料が1回につき2,300円と設定されました。さらに新しく「訪問施術料制度」が導入され、同一日・同一建物での施術人数に応じて料金が細かく分けられています。

一方で、自費で利用する場合は医師の同意書は不要です。施術時間の延長や特別な技術の利用、予防や健康維持を目的とした施術など、より柔軟にサービスを受けられます。ただし、この場合の費用は全額自己負担となり、1回あたり3,000円〜8,000円程度が目安です。

また、医療保険と介護保険のサービスは併用できますが、同じ部位・同じ目的・同じ日時での重複利用はできません。ケアマネジャーと連携してバランスを取ることで、利用者にとって最適なケアプランを組み立てることが可能になります。

費用の目安と回数・頻度の考え方

訪問リハビリマッサージは医療保険の対象となり、介護保険の枠に含まれません。医師が必要と判断し、同意書が発行された場合にのみ健康保険が適用されます。このため、介護保険の月額支給限度額に影響されることなく利用できるのが大きな特徴です。

医療保険を利用する場合の料金は厚生労働省によって全国一律で決められており、2024年の改定ではマッサージが1局所450円、往療料が1回2,300円と定められました。加えて「訪問施術料制度」が新設され、同じ建物で複数人が受ける場合には人数に応じて料金が細かく分けられています。

一方、自費で利用する場合は医師の同意書は不要です。施術時間を長めに設定したり、特別な技術を取り入れたりと、より自由度の高いサービスを受けられます。健康維持や予防を目的としたケアも可能ですが、この場合は全額自己負担となり、1回あたりおよそ3,000円〜8,000円が目安です。

また、医療保険と介護保険のサービスは併用できますが、同じ部位・同じ目的・同じ日に重複して使うことはできません。そのため、ケアマネジャーと相談しながら計画を立てることで、無駄のない最適なケアプランを組むことができます。

施術内容とサポートの範囲

訪問リハビリマッサージの施術は、あん摩・マッサージ・指圧といった基本手技を中心に構成されています。足関節や足首のケアでは、血流を促すための軽擦法、筋肉の緊張をやわらげる揉捏法、可動域を広げるための他動運動などを組み合わせて行います。

施術範囲は医師の同意書に記載された部位に限られますが、最大で5部位(躯幹・右上肢・左上肢・右下肢・左下肢)まで対応できます。足関節や足首は下肢に含まれ、周囲の筋肉や関節に対する手技療法が中心となります。

必要に応じて「変形徒手矯正術」が加わることもあり、肩・肘・手関節・股関節・膝関節・足関節の6大関節が対象です。足関節では、拘縮の改善や可動域の拡大を目的に実施され、1肢1回につき470円の加算が設定されています。さらに温罨法を併用することで、組織の柔軟性を高め、施術効果を一層引き出すことができます。

また、施術だけでなく体調の変化を把握する観察や記録も重要な役割です。施術者は利用者の状態を継続的に確認し、必要に応じて医師や家族へ報告します。さらに、3か月ごとに作成される施術報告書によって医師との連携が保たれ、安心して治療を継続できる仕組みが整えられています。

さくらリバースの紹介

「さくらリバース」では、マッサージ・整体・鍼灸を組み合わせた総合的なケアを行っています。専門知識を持つスタッフがご自宅へ伺い、お一人おひとりの体調や生活環境に合わせて丁寧にサポートいたします。

身体の機能を保ちながら心の安定も大切にし、ご自宅でも安心して自立した生活を続けていただけるようお手伝いしたいと考えております。あわせて、ご家族の負担を少しでも軽くできるよう、きめ細やかな配慮を心がけています。

「自宅でのケアに不安がある」「どんなサポートを受けられるのか知りたい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。

まとめ

足首や足関節の痛みや動かしにくさは、日常生活の動作に大きな影響を与えます。足首回しやふくらはぎのマッサージといったセルフケアは、継続することで血流を促し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。症状が強い場合や通院が難しい場合には、医師の同意のもと、国家資格を持つ施術者による訪問リハビリマッサージを検討することが安心につながります。

セルフケアと専門施術にはそれぞれ特性があり、ご自身の体調や生活環境に合わせて選択することが重要です。セルフケアは気軽に始められ、訪問リハビリマッサージは医療保険を活用することで経済的負担を抑えながら、継続的なケアを受けられる利点があります。

足首や足関節の不調でお悩みの方にとって、本記事がより良いケア方法を見つけるための一助となれば幸いです。

監修:市姫 久春
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師 株式会社さくらリバース 訪問鍼灸リハビリマッサージ事業部
   

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