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高齢者に多い寒暖差アレルギーとは? 対策方法を詳しく解説

監修:市姫 久春
2025年06月25日
高齢者に多い寒暖差アレルギーとは? 対策方法を詳しく解説
朝晩の気温差が大きい日や、季節の変わり目になると、鼻水が出たり、くしゃみが止まらなくなったりすることがあります。風邪かと思っても熱はなく、なんとなく不調が続く…。そんなときは「寒暖差アレルギー」が関係しているかもしれません。

寒暖差アレルギーは、急な気温の変化に体がついていけず、自律神経が乱れることで起こると言われています。特に高齢の方は体温調節がうまくできにくくなっているため、症状が出やすくなる傾向があります。

この記事では、寒暖差アレルギーの原因や症状、毎日の生活でできる予防策などをわかりやすく紹介します。つらさを減らし、穏やかな日々を過ごすためのヒントとしてお役立てください。
目 次

寒暖差アレルギーとは

寒暖差アレルギーとは、気温の変化に体が反応し、くしゃみや鼻水などの症状が出る状態を指します。アレルギーという名前はついていますが、花粉やハウスダストのような原因物質があるわけではなく、自律神経の乱れが主な原因とされています。

気温が急に上下すると、自律神経の働きが乱れ、体温調整がうまくいかなくなります。その影響で、鼻の粘膜が過敏になり、風邪に似た症状が出るのです。

特に高齢の方は体温の変化に対応しにくく、寒暖差の影響を受けやすくなるため、普段の生活を見直して、体のバランスを整えることが大切です。

高齢者が安心して過ごすための寒暖差対策

寒暖差アレルギーを軽くするためには、日々の暮らしの中で気温差に負けない環境づくりが大切です。特に高齢の方は、自律神経の働きが弱くなりやすく、ちょっとした気温の変化でも体に負担がかかってしまいます。

ここでは、寒暖差による不調を防ぐための具体的な対策をいくつか紹介します。

室内環境の調整方法

まず気をつけたいのは、室内の温度と湿度です。外との気温差が大きいと、自律神経に負担がかかりやすくなります。エアコンや加湿器を活用して、室温を20~22度、湿度を50~60%程度に保つのが理想です。

朝晩の冷え込みが強い日は、寝る前に部屋をあたためておくと安心です。朝起きたときに冷たい空気を吸うと、鼻の粘膜が刺激されやすくなるため、起床時の室温にも注意しましょう。

玄関や廊下など、寒くなりやすい場所にはカーテンやパネルを使ったり、小型ヒーターを置いたりするのも効果的です。

入浴や運動の重要性

自律神経を整えるためには、入浴と軽い運動が効果的です。シャワーだけで済ませず、38〜40度のぬるめのお湯に10〜15分つかることで、体が内側から温まりリラックスできます。

また、散歩やストレッチ、椅子に座ったまま行う体操などもおすすめです。軽く体を動かすことで血行がよくなり、寒さに強い体をつくる助けになります。

無理のない範囲で続けることが、寒暖差アレルギーの予防につながります。

生活習慣の見直し

寒暖差による不調を防ぐには、生活リズムを整え、健康を維持することが大切です。特に高齢の方は、決まった時間に寝起きし、しっかり睡眠をとることで、自律神経の安定につながります。

また、朝ごはんをしっかりとることで、体が自然に目覚め、体温も上がりやすくなります。寒い朝は、温かい飲み物や汁物などで体を中から温めるのがおすすめです。

食べ物や飲み物で寒暖差アレルギーを予防

寒暖差による不調をやわらげるには、体の内側から整えることも大切です。特に高齢の方は、食事内容が体調に影響しやすく、温かいものを意識してとることがポイントになります。

冷たい飲み物や食事は体を冷やし、自律神経に負担をかけるため、朝やお風呂上がりは白湯や温かい味噌汁などを選ぶと安心です。

ビタミン・ミネラルが豊富な野菜や発酵食品、良質なたんぱく質をとることで、体のバランスも整いやすくなります。食生活の積み重ねが、寒暖差に強い体をつくる土台になります。

寒暖差アレルギーに効く食べ物

寒暖差アレルギーの予防や緩和には、食事からのサポートも有効です。体を内側から温めたり、自律神経のバランスを整える栄養素を意識的にとることで、症状が出にくい体づくりが期待できます。

ここでは、日常の食事で取り入れやすい食材や、避けたほうがよい飲食物について紹介します。

お風呂上がりに注意すべき食べ物

お風呂で温まった直後は、体温が下がりやすく、自律神経も乱れやすいタイミングです。このときに冷たい飲み物やデザートをとると、鼻水やくしゃみが出やすくなることがあります。

アイスや氷入りの飲み物は避け、白湯や常温のお茶を選ぶと安心です。また、湯冷めしないよう羽織ものを用意するなど、体を冷やさない工夫も大切です。

体温調整に良い食材

体温の変化に強い体をつくるには、日ごろの食事が大切です。体を温める根菜類(にんじん、ごぼう、れんこん、しょうがなど)は、みそ汁や煮物で取り入れやすくおすすめです。

さらに、ビタミンB群やマグネシウムを含む豚肉、納豆、玄米、ほうれん草なども、自律神経の働きをサポートしてくれます。

偏りのない食事を心がけることが、寒暖差への抵抗力を高める助けになります。

予防と対策のポイント

寒暖差アレルギーの症状をやわらげるためには、毎日の生活の中で無理なくできる対策をコツコツ続けることが大切です。

ここでは、今日から取り入れられる予防のポイントを、具体的に紹介します。

生活リズムの調整

毎日を同じ時間に起きて、同じ時間に眠る──それだけでも、自律神経の働きはずいぶん安定しやすくなります。

朝は日光を浴びて体内時計をリセットし、夜はスマートフォンやテレビの光を控えて、ぐっすり眠れる環境を整えましょう。昼夜のメリハリをつけることが、交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズにしてくれます。

朝食をとる、軽い運動をする、といった日常の習慣も、体内のリズムを整えるうえで効果的です。

自律神経を整える習慣づくり

寒暖差アレルギーの大きな原因のひとつは、自律神経の乱れです。だからこそ、日常生活の中で、自律神経のバランスを整えることがとても大切です。

まず意識したいのは、深い呼吸を取り入れること。ゆっくりと息を吐きながら深呼吸することで、副交感神経が優位になり、体がリラックスしやすくなります。緊張を感じたときや、朝晩の静かな時間に行うのが効果的です。

また、朝の光を浴びる、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かるといった、心と体を落ち着かせる習慣も自律神経を整える助けになります。テレビやスマートフォンを長時間見すぎないようにすることも、眠りの質を保つうえで重要です。

ストレスをためすぎない、ゆっくり過ごす時間をつくる──そんな小さな工夫の積み重ねが、寒暖差アレルギーの症状をやわらげることにつながります。

季節ごとの注意点

寒暖差アレルギーは、季節の変わり目にとくに注意が必要です。春や秋は日中と朝晩の気温差が大きくなりやすく、自律神経のバランスが乱れやすい時期です。

たとえば春は、暖かい日と肌寒い日が交互にやってくるため、服装選びが大切になります。重ね着などで調整しやすいスタイルを心がけ、急に冷え込んでも体が冷えすぎないようにしましょう。

秋は日が短くなり、気温がぐっと下がる日も増えてきます。特に夜間の冷え込みには注意が必要で、寝具や室温を調整して、睡眠中の冷えを防ぐことがポイントです。

また、夏や冬でも油断はできません。冷房や暖房による室内外の温度差が大きいと、体にストレスがかかります。外出の際は羽織りものを持ち歩くなどして、急な変化に対応できる準備をしておくと安心です。

一年を通じて、気温の変化を意識しながら過ごすことが、寒暖差アレルギーの予防につながります。

寒暖差アレルギーと関連性のある病気

寒暖差アレルギーは、風邪やアレルギー性鼻炎、血管性鼻炎など、よく似た症状と見分けがつきにくいことがあります。鼻水やくしゃみが続くとき、「これって何の病気?」と迷うことも多いかもしれません。

ここでは、似た症状をもつ代表的な病気との違いや、注意すべきポイントについて紹介します。

アレルギー性鼻炎との違い

寒暖差アレルギーとアレルギー性鼻炎は、どちらも「くしゃみ」や「鼻水」といった症状が共通していますが、原因や対処法は大きく異なります。

アレルギー性鼻炎は、花粉やハウスダストなど、特定のアレルゲン(原因物質)に対する体の免疫反応によって引き起こされます。血液検査や皮膚テストで原因を特定でき、薬による治療やアレルゲンの除去が主な対策です。

一方、寒暖差アレルギーには明確なアレルゲンがありません。気温の急な変化が引き金となり、自律神経の働きが乱れることで症状が出ると考えられています。検査では異常が見つからないことが多く、生活習慣や環境の調整が主な対応策になります。

症状が似ていても、原因や対策はまったく違います。見分けに迷った場合は、医師に相談しながら判断するのが安心です。

風邪との区別

寒暖差アレルギーは、症状が風邪とよく似ているため、見分けがつきにくいことがあります。特にくしゃみや鼻水が続く場合、「風邪かな?」と感じる方も多いかもしれません。

しかし、風邪はウイルスによる感染が原因で、発熱やのどの痛み、倦怠感(だるさ)などを伴うことが一般的です。一方で、寒暖差アレルギーは熱が出ることはほとんどなく、のどの痛みや強い疲労感もあまり見られません。

また、風邪は数日から1週間ほどで自然に治ることが多いのに対し、寒暖差アレルギーは気温差がある限り、長引いたり、繰り返し症状が出たりする傾向があります。

体調不良が数日以上続く場合や、発熱がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

血管運動性鼻炎について

寒暖差アレルギーと非常に似た症状を持つ病気に、「血管運動性鼻炎」があります。これも正式なアレルギー反応ではなく、鼻の粘膜が敏感に反応してしまうことで起こる非アレルギー性鼻炎の一種です。

気温や湿度の変化、強いにおい、ストレスなど、ちょっとした刺激によって鼻水や鼻づまり、くしゃみが出るのが特徴です。血管運動性鼻炎は、鼻の中の血管や神経が過敏になり、自律神経のバランスが崩れることで症状が起こると考えられています。

寒暖差アレルギーと同様に、検査をしてもアレルゲンは見つからず、症状だけが続くため、原因がわからず不安になる方も少なくありません。

このタイプの鼻炎も、自律神経の安定がカギとなります。生活習慣の見直しや、冷暖房の使い方の工夫などで、症状が軽くなることがあります。

さくらリバースの紹介

わたしたち「さくらリバース」では、専門資格を持つスタッフがご自宅や滞在先へ直接伺い、訪問によるリハビリやケアを提供しています。

高齢の方が寒暖差による体調変化や日々の不安を感じやすい中で、身体のケアはもちろん、心の落ち着きもサポートできるよう心がけています。リハビリやケアを通して、「安心して暮らせる毎日」を少しでもお手伝いできればと考えています。

「自宅でどんなサポートが受けられるのか知りたい」「家族に介護負担がかかっている」など、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。

まとめ

寒暖差アレルギーは、高齢の方に多く見られる不調のひとつで、風邪に似た症状が出るため、見過ごされがちです。しかし、その原因や対策は異なり、体への影響も軽視できません。
日々の生活の中で、室温の調整や食事内容の見直し、整った睡眠や生活リズムを意識することが、自律神経のバランスを保ち、症状の軽減につながります。
症状が続く場合や、血管性鼻炎などの別の可能性が心配なときには、無理をせず、専門家のサポートを受けることも大切です。毎日の工夫と適切なケアで、健康な毎日を目指していきましょう。

監修:市姫 久春
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師 株式会社さくらリバース 訪問鍼灸リハビリマッサージ事業部
   

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